2012年10月05日

巨匠  堕つ














ここのところ突然の有名人の訃報が続いている。




まずはビックリしてしまったのが、
流通ジャーナリストとしてお馴染みだった、
金子哲雄さんがお亡くなりになったというニュース。





kaneko.jpg





そして、そのことに関して本当に凄いと単純に思ってしまったのが






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このたびは、お忙しい中、
私、金子哲雄の葬儀にご列席たまわり、ありがとうございました。

今回、41歳で人生における早期リタイア制度を利用させていただいたことに対し、
感謝申し上げると同時に、現在、お仕事などにて、お世話になっている関係者のみなさまに、
ご迷惑おかけしましたこと、心よりおわび申し上げます。
申し訳ございません。

もちろん、早期リタイアしたからといって、ゆっくりと休むつもりは毛頭ございません!

第二の現場では、全国どこでも、
すぐに行くことができる「魔法のドア」があるとうかがっております。

そこで、札幌、東京、名古屋、大阪、松山、福岡など、
お世話になったみなさまがいらっしゃる地域におじゃまし、
心あたたまるハッピーな話題、おトクなネタを探して、
歩き回り、情報発信を継続したい所存です。


今回、ご縁がありまして東京タワーの足元、心光院さまが次の拠点となりました。
「何か、面白いネタがないかな?」と思われましたら、
チャンネルや周波数を東京タワー方面に合わせ、
金子の姿を思い出していただけましたら幸いです。

このたび、葬儀を執り行うにあたりまして
葬儀社のセレモニーみやざき 宮崎美津子さまには
生前より真摯(しんし)に相談にのって頂きました。

また、自分の歩んできた道とゆかりのある
港区東麻布を終(つい)の住処とすることをお許しいただきました、
浄土宗 心光院 御住職 戸松 義晴先生には公私にわたり、
死生観などのアドバイスをちょうだいしました。

この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

最後になりますが、本日、ご列席下さいました、
みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈りしております。
41年間、お世話になり、ありがとうございました。

急ぎ、書面にて御礼まで。

平成24年10月1日
流通ジャーナリスト 金子哲雄

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20121004-1027694.html



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人柄がにじみ出る素晴らしい文章。
本当にこの人は最期の最期まで”プロ”だったんだな・・・と、
これを見て改めて感じた。




独特のキャラクターに目が行きがちだったけど、
しかし明るく軽妙な語り口で親しみやすく
そして、これを読んで改めて、この人は


自分自身の役割


視聴者や読者から何を求められているのか



流通ジャーナリストの名に恥じぬよう、
とにかく流通業界の最新情報やお得な情報など、
発信し喜んでもらうよう頑張るサービス精神




ジャーナリストなどと言いながら、
ちっともジャーナリズムのカケラもないような奴らとは、
明らかに一線を画する存在だったんだ、と、
お亡くなりになって初めて分かった。



ご家族を早くに亡くされて、
その分も生きようとしながら、
41歳という余りに早過ぎる死。



その悔しさ、無念さは察するに余りある。



しかし、そんなことはおくびにも出さず、
最期まで自分のキャラクター通り
ユーモラスかつ軽妙に締めくくって、それどころか、
参列者に対しての気遣い、心配りまでするサービス精神。



死生観という言葉が出てきたが、
自分がいざそのような立場に立たされた時、
果たしてこのような対応が出来るだろうか・・・




ただ、


何故オレが・・・!!!


と、世を恨み、神や仏を恨み、
浴びるように酒でも飲んで見るも無惨な最期を迎えることだろう。



間接的ではあるが、
死生観、死と向き合う行き方。
自分ももっともっと真剣に考えて、
一日一日大事に行きていかねば
・・・
と思わされてしまう。



金子哲雄さんには、
本当に心からご冥福を願ってやみません。



合掌。












そして






本当に悲しく、そして辛く、信じたくないニュース・・・










kyosyou.jpg



俳優・大滝秀治さん、肺扁平上皮がんで死去 87歳






信じたくなかった




ガセネタであって欲しかった




本当に尊敬し、そして自分の中で偉大な存在だった




初めてお会いした時には、
業界の厳しさを教えて下さった。




役者の道に近道や旨い話はない。


ただ、精一杯努力してコツコツ積み重ねていくだけだ。




その言葉は今も胸に残っている。




それはどんな仕事や世界にも通じる真理だろう。




決して背が高い方ではないと思うが、
しかし、舞台に立てば、そのオーラに圧倒されたものだ。



よく、怪しげな占い師だけでなく、
普段の日常生活でも使う”オーラ”




この小柄な老人(この年齢にしては大きい方?)が、
一度、舞台に上がる、スタジオでカメラの前に立つ、
本番の掛け声がかかる瞬間、それを一気に解放させる。



どんなに大きな劇場の大きなステージでも、
大滝さんが居るだけで”空気”が変わった。



大きなステージなのに全く大きく感じさせず、
ゆったりとした芝居の”間”の時間を全く感じさせず、
この人は空間と時間を歪める力を持つ能力者ではないか




・・・そんな馬鹿げたことまで思ったぐらいである。



大滝秀治さんと共に、
劇団民藝代表を務める女優の奈良岡朋子さん。



演技力という点では圧倒的に彼女の方が上だと思う。
(あくまでも個人的な印象だが)




だが、大滝さんは、”その役になりきる”



憑依する・・・と表現しても良いかも知れない。



演じる対象”そのもの”に見えた。




客席から見る人間すらも圧倒する迫力。



言葉にすると陳腐だが、
それがいわゆるオーラというやつなのだろう。






個人的には、色々と暖かい言葉をかけて頂いたり、
一度だけだがご自宅にお邪魔させて頂いたり、
好きなことに対しては語り出したら止まらなくなって、
困ってしまった瞬間もあったものの、
本当に近くに居るだけですべてが勉強になったという思いである。



どんな業界、世界であれ通じること。



勉強熱心で、鬼気迫る勢いで芝居に取り組む姿勢、
自分で納得するまで決して止めない仕事ぶり、
そして、これぞ役者という演技。
見習う・・・なんておこがまし過ぎるが、
ただただ大滝さんに対しては、




今までお疲れ様でした




とか、



天国で安らかにお休みください




・・・とは絶対に言いたくない。



僕はね、仕事を辞めたら
きっとボケてしまうと言われてるの。
かかりつけの先生にもそう言われてるしね。




天国でボケてしまわないように、
いつまでもいつまでも、
大好きな芝居を演じ続けていてください。






そして、少しでも近くに居られて、
そして巨匠審判など怪演この眼で見ることが出来た幸せ。
あの空間に居られた幸せは生涯忘れません。
あの暖かく力強い手の力、絶対に忘れません。





いつか自分がそちらにお邪魔させて頂く時は、
ぜひまたお芝居を楽しみにしたいと思います。
本当に本当にありがとうございました。




次回の公演まで少しだけ休憩してください。







今回の御二方の逝去。
こうした”プロ”が世を去り、
こんなクソの役にも立たないような奴が生きている。



・・・いや、生かせて頂いている。




一体いくつまで生きられるか分からないけど、
それまで精一杯生きよう。
悔いを残さないように。



最期の最期で笑って、
自分の葬儀の参列者に対しての心配りが出来たり、
『これでいいのだ』と納得して逝けるように。











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posted by RT at 23:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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