さてさて・・・
先日、完成披露試写会に行ってきた・・・
9.24 新宿ミラノ座『R100』完成披露試写会を観に行く
ようやく劇場で観てきました。
・・・が、今回の日記はかなりのネタバレになるので、
もしこれから初めてご覧になる方は、
ここから先は下に進まないようお願いします。。。
改めて観て感じたこと。
2回観ても狂ってるなあと思いました。
独特の世界観
誰にも何にも似ていない独創性
(それが良いか悪いかは別として)
4作目にして本当に確立してきたなあ、と。
前半パートと大盛り上がりを見せる後半パートと、
話は大きく変わっていくのですが、
この辺は"しんぼる"を彷彿とさせるような気がします。
主役の片山演じる大森南朋や、
前田吟、片山の上司役の小木茂光など、
安定感抜群のメンバーで固め、
若干セピア調の物語は静かに進行していく。
突然、唐突にボンデージ姿の女性が現れる以外は。
いつ、どこでやって来るか分からない緊張感
これはガキの使いの伝説の罰ゲームである、
24時間鬼ごっこを彷彿とさせます。
山崎邦正(現:月亭方正)が、
トイレで用を足している時に黒鬼から顔面にパイを食らい、
地獄や。平和な場所はもう無いぞ・・・
と、心底怯えきったような言葉を発しました。
R100では松尾スズキ演じる支配人が、
いつどこでやって来るか分からないという緊張感が、
お客様をきっと満足させることでしょう
その緊張感がやがて恐怖と繋がっていくワケですが、
それに通ずるものを観ていて感じました。
ガキの使いだけでなく、
佐藤江梨子演じる女王様が、
次々と片山が頼む寿司を潰していくシーン。
雑誌等でも散々書かれていましたが、
どう観てもvisualbumの寿司というコントの映画版という感じ。
残念ながらここは原作(?)を
越えられなかったか・・・という気がしました。
(まあ、そういう風に作っていないと思いますが)
そして、物語は唾液の女王様が死ぬところで、
急展開を迎えるワケですが、ここのところなんですよね。
恐らく松本作品を好き、もしくは割りと好きな方・・・でさえ、
うわ・・・と思われるかも知れないと、
先日の完成披露試写会で率直に思った一番のシーン。
ここから
秘密クラブ『ボンデージ』vs片山(&岸谷)
の、全面戦争というような展開になるのです。
もうムチャクチャだ。
ストーリー展開だって破綻している、
いや、そもそもストーリーなんて存在しているのか?
大地真央演じる声の女王様なんて、
会ったこともない人の声を正確にマネしたり、
片桐はいり演じる丸飲みの女王様に至っては、
これはもうSMプレーですらない。
せっかくそれまで築いてきた、
不治の病を抱えて意識不明で寝たきりの妻を、
献身的に看病する夫(片山)と、
それを支えている義理の父、前田吟。
母親がいつか必ず帰って来るものだと信じて疑わない息子。
それらが織りなすホームドラマを、
全く説明なく唐突にバサッ!!と終わらせる丸飲みの女王様。
それまで一応、つじつまが合っていたストーリーを、
一気に破綻させ、そして破滅的に加速させて行く。
そこが、すげえなあと単純に思いました。
料理でたとえたら、あれだけ素材にこだわり、
入念に下ごしらえをし、万全な環境で調理をして、
最高の味付け、高級な食器に盛り付けまでして、
最後の最後に食べずに捨てる
そういう放り投げ方に感心してしまいました。
あれだけ入念に入念に作り込んだ前半部分は、
単なるネタ振りかよ!!・・・みたいな。
センター返しとかセーフティーバント等ではなく、
思いっきりフルスイングしてくる感じ、いいですね。
ホームランか三振か。
ボールを確実に当てに行って
しぶくヒットを狙う作品よりも、よっぽどいい。
そしてR100の意味。
100歳の超高齢映画監督が作った映画という設定。
だから、全体的にセピア調だし、
パソコンどころか携帯やスマホすら登場しない、
昭和な感じすらする時代背景。
100歳の監督だから、
ストーリーはムチャクチャで、荒唐無稽。
今、昔の映画だったり特撮だったりアニメだったり、
そういうのを観て、
こんなことあるわけねーよ!
とか
なんでやねん!!
とか、ゲラゲラ笑いながらツッコミを入れる感覚。
で、ストーリーが破綻していると思っていたところに、
劇中映画R100のプロデューサーというかスタッフからの、
ツッコミが、正に観ていた我々の思いを見事に代弁してくれるというか、
シンクロするのが非常に心地良い。
ストーリーが破綻しているようで実はしていなかった。
100歳の監督が作ったんだから仕方ない
・・・という超のつく反則的な理由であるけども。
最後の戦闘のシーン。
手榴弾をボンデージ側の兵士(?)に、
投げつける片山の表情。
今まで女王様に"やられる"ことで得ていたエクスタシー。
今度は"やる側"でエクスタシーを得るという新境地を開拓する。
MはMを突き詰めるとSになる
・・・というボンデージ支配人の言葉通りに。
そして巨体を揺らして片山に襲いかかるボンデージCEOと、
新境地のSに目覚めた片山
そしてSは究極のSであるCEOに平伏すことで、
さらに新たな境地を開拓し、
息子の望みであった弟を授かるという驚愕の大団円。
ここも先ほどの唾液の女王様ではありますが、
いくら松本作品が好きな方でも分かれるだろうなあ・・・
SとMは表裏一体
笑いと恐怖も表裏一体
SとMが溶け合ってしまったように、
最終的には男性性も女性性すらも融合する姿は、
ヒトは誰しも二つの相反するものを内包している
・・・ということの暗示でしょうか・・・
そんな監督自身の持論が、
最大限に濃縮されまくった一作であったと。
そして最後の最後に満足気な表情で、
エクスタシーを迎える老監督。
こんな超駄作(映画中映画R100)を作ってしまった彼は、
究極の自己満足な世界をブツける彼は周囲に対してSであり、
そしてこんな超駄作を堂々と満足気に見せられる彼はMでもある。
100歳の監督のSとMの内包性
それこそがR100だったのだと。
ちなみに・・・
この映画は興行的には赤字というか、
観客動員的にかなり厳しいというような記事も出ていますが
そりゃあ当たり前だわ
逆にこの映画が記録的なヒットを飛ばして、
観客動員数の記録なんて立ててしまったら、
それこそ日本の映画界はオシマイ
・・・そう思いますね。
(ある意味安心したというかw)
お笑い芸人のダウンタウンの松本人志は、
超のつくぐらいメジャーになって久しいですが、
映画監督としては、こうした挑戦というか、
賛否両論の"否"が大勢を占めるような問題作を、
これからも世に送り出していって欲しいもの。
(どうせ何を作ったって否定する人は否定するんだし)
<結論>
映画R100とは
見終わった後に、妙に後味が残る映画である
それはラーメン二郎のような、
100%万人受けするものではなく、
嫌う人も多いが物凄くハマる人も居る。
ハマッた人でも一回食べたら、
ああ、これでもうしばらくはイイかな
・・・などと思っていても、
数日経つと何故かまた食べたくなってしまう。
そんな妙に後を引く作品である。
途中から色々と深読みというか、
考えることを止めたらゲラゲラ笑えてきました。
個人的に特にツボに入った部分。
・・・揺れてる?!
というところ。
今の日本のリアリティを出した、と、
100歳の監督は言いますが、確かに普段生活していて、
アレ?今揺れてる・・・?
みたいな感覚あるよなあ。
という、"あるある"的な側面もそうですけど、
100歳の老人だから、
常にプルプル震えながら撮影しているやろ
みたいな荒いノリの解釈とイキオイで撮られた
そんなことを勝手に想像して勝手に笑ってしまいました。
何も考えず、ひっそりと観て、ひっそりと笑う
この映画の正しい楽しみ方ではないかと思った次第。
・・・おまけ。
丸飲みの女王様w
いやあ、観に行って良かったわ。
(そこかよ!)
【当日記の関連記事】
・大日本人 〜考察の章
・大日本人 〜最終章
・しんぼる を みる
・しんぼる を かんがえる
・夕暮れの風景 〜『しんぼる』について
・さや侍という怪作であり傑作


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http://astand.asahi.com/magazine/wrculture/2013110100005.html?iref=webronza
↓以下引用
遠い昔、月に一度、松本さんに会い、インタビューをしていたことがある。『松本人志 愛』という本にまとめたものだが、映画についても聞いた。そこで松本さんは「好きな映画」として『死んでもいい』(石井隆監督)をあげていた。
どこが好きかというと、と言って松本さんが語ったのがラスト近くのシーンだった。永瀬正敏がホテルの風呂場で、浮気相手の大竹しのぶの夫を殺す。そこに地震が起きる。ガタガタ揺れて、なぜここで地震なのか、結末に関係するのかと思うが、最後まで何も関係しないと説明したあと、松本さんはこう言った。「もし、その監督が、『こんな時にけっこう地震くるで』と思ったとしたら、その監督、大好きやなと思ったんですよ」。
コメントありがとうございます。
そうだったんですか!
元ネタはそこだったんですね。
ありがとうございます。
そんなことは全く知らず観ていましたが、
お笑いの技法である天丼的な部分と、日常的なあるある的なネタな部分、
その両方がミックスされていて面白いなと思ったんですね。
貴重な情報をありがとうございました。