2007年04月23日

ダニーの思い出 その1



先日、銀座を歩いていたら、
観光客らしき外国人の方から道を尋ねられました。


外国人「Do you know イントゥワァーナソナーウ、フゥオーアム?」(こう聞こえた)

自分「アー・・・」


と、一応笑顔で答えようとしてみたものの愕然としました。


冒頭の「ドゥーユーノウ」の部分は分かりましたが、その後の、

「イントゥワァーナソナーウ、フゥオーァム?」

の部分がどうにも分かりません。


要は、

「イントゥワァーナソナーウフゥオーアムを知ってっか?」

ってことなんだろうけど、その

「イントゥワァーナソナーウフゥオーアム」

自体が謎だし一体何やねん??

どっどこだ?そんなとこあんのか?

と、軽〜くパニック状態に…。


インターナショナルフォーラム…か?


国際的な…。


あっ!「東京国際フォーラム」か!


自分「オー、アイシー、アイシー!」


やっとこさ謎が解け、頭の中の英単語在庫をフル活用し
翻訳が完了。満面の笑顔でいざ説明してあげようと思ったら
これがまたいけません。


この場は何とか中学校英語でたどたどしく、
汗をふきふき説明して、ことなきを得たのでありましたが、
しかし語学の大事さを改めて痛感したのでありました。


ちなみに、自分が語学というか「スペイン語」ってものを
ハッキリと認識したキッカケ…。


それは一人のサッカー選手との出会いだった。
(ここから文体が変わります)


そのサッカー選手の名前は、ダニエル・サナブリアと言った。


彼は通称ダニーと呼ばれていて、
2000年に「湘南ベルマーレ」としての初年度に
初めての外国人選手としてパラグアイからやって来た。


その当時、まだ22歳になったぐらいで、
先頃のドイツW杯にも出場した「鬼軍曹」ガマーラを
代表とするパラグアイのDFらしからぬスラリとした長身で、
大きな瞳と長いまつ毛が目を引く青年であった。


ま、こう書くといかにも「美青年」的なイメージを
抱くかも知れないが、決してそんなことはなく、
どちらかと言えばむしろ愛嬌のある顔立ちで、
雰囲気的にはロバのような、のんびりとした優しい顔をしていて、
黒目がちのクリクリとした瞳が非常に特徴的であった。


しかし、一度ピッチに入れば、そこはパラグアイ人である。
勇ましいグアラニー族の血を引く民族の闘争本能むきだしな
アグレッシブなプレーを見せてくれた。(実際イエローカードも多かった)


そんな彼だったが、シーズン終盤あたりからは
チームの成績不振の責任を取らされるが如く、
その当時の監督の構想からはずれ、
結局この一年で日本を後にすることになってしまう。


ダニーと出会ったのは、
シーズンも半ばのちょうど今頃の時期だった。


その日、自分は平塚にて所用を済ませた後、
ZeppTokyoへとライブに行く所だった。


平塚駅から東京行きの電車に乗る時、
ホームにダニーが居たのだった。


声をかけると、案の定覚えていてくれていた。


実はこの少し前に、
栃木で水戸ホーリーホックとの試合をした後の帰り道、
東北道のSAで選手たちのバスと一緒になった時のことだ。


人気者だった彼に、握手を求めたくさんの人が集まる。


ほとんどの人が「ありがとう」とか「サンキュー」とか言う中、
握手をした時にちょっと勇気を出して「ムチャス・グラシアス」と、
その時唯一知ってたスペイン語で思い切ってお礼を言うと、
一瞬驚いたような表情をした後、
満面の笑顔で抱き付いてきたのであった。
公衆の面前で思いがけずハグをしてしまった訳だ。


そんなこともあって、
駅で久々に声をかけた時に覚えていてくれたのだった。


東海道線の車中、お互い片言の日本語と英語を駆使して、
身振り手振りも交えつつ話をする。


彼は今から東京まで行って、パラグアイ人の集まりがあるので、
そこまで出かける所らしかった。


最初に「人と会う約束がある」ようなことを言ったので、
すかさず

「ガールフレンド?」

と、やじ馬根性丸出しで思わず聞いてしまう。するとダニーは、


「違う違う!実は大使館の人たちも来るパーティなんだ」


と言って、ちょっとあわてたような素振りを見せつつも、
笑いながら大きな瞳をさらに見開き、
長いまつ毛をパチパチとしばたたいた。


そんな感じで平塚から自分の降りる新橋までの約一時間ほどの間、
非常に楽しい一時を過ごすことが出来たのだった。


それから、新橋からゆりかもめに乗る間、
その足ですぐさまスペイン語の本を購入。


興味を持ったのも、さらには行動にうつしたのも、
全てはこれがキッカケだった。



「その2」へとつづく
posted by RT at 14:01| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外から見た日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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