つい最近友人からの話に久しぶりに心がザワザワする。
中学生時代の話
ある一人の男がいた。
背は高くてスラリとしていて、
黙っていればかなり男前な部類の生徒だ。
しかし、
その男には決定的に欠点があって、
虚勢を張る、というか
自分を必要以上に大きく見せようとしがちな部分があった。
そこのところが、
クラスの大部分の男子に鼻についたのであろう、
彼は完璧にいじめられる側の人間であった。
そして気づけばいつも教室の隅で
一人たたずむ姿が目立ちはじめ、
遂には学校に来なくなってしまった。
一方、同じクラスに一人の女子生徒がいた。
その子は、明るく元気を絵にかいたような子で、
成績こそ多少アレであったものの(汗)
いつも大きな声と朗らかに笑った顔が特徴的な子であった。
学園もののマンガなりアニメに必ず出てくるような、
爆弾娘、というか、とにかくパワフルな女子生徒なのである。
上記の通り、
明るく元気で男子でも気軽に話しかけたり
(そんな時代だったのだ。苦笑)、
時には下ネタなどにも気さくに乗っかったりもしていたので、
男子からの人気はナカナカなものであった。
その一見全く接点が無いような二人の恋バナに、
思わず心がザワザワとしてしまったのである。
(年甲斐もなく。笑)
何故かと言うと、
その両者ともクラスは違うのだが
部活の関係でよく知っていたのだ。
中学校の部活で
軟式テニス部に所属していた男とは同じ部だったし、
女は女子のテニス部に所属していたので交流があった。
思えば、
向こうから気さくに話しかけられても、
その当時のワタクシは、
「ねぇねぇ、そのラケット良いねぇ。ちょっと見せてよ〜」
「知らん」
「まだ練習してんの?途中まで一緒に帰ったげるよ」
(帰る方向は全然違う)
「知らん」
常にそんな感じでございました・・・。
仮に今だったらどんな感じだろうか。
「ねぇねぇ、そのラケット良いねぇ。ちょっと見せてよ〜」
「ハイッ!!いいよおおぉ〜!!」
などと二つ返事どころか
一つ返事ぐらいのイキオイで答え、
「ついでに俺が手取り足取り教えたげるよエヘエヘ」
(ただのセクハラオヤジやがな)
などと余計なことまで口走ってしまうのであろうか。
(んなもん知るかよ。笑)
・・・・・・・・・・
ええと、話が逸れましたね。(汗)
クラスの人間から疎外され、
常に孤独の影を引きずる男。
そして、
その男に授業のプリント届けてあげたり、
可哀相だからと色々と気にかけてあげているうちに、
いつしか恋心が芽生えた女。
同情から愛情へ・・・という感じなのであろう。
う〜む・・・
その当時の自分は、
割りと真面目に部活動に明け暮れる毎日であったので、
そんな機会はついぞ訪れることは無かったが、
すぐ身近な場所でそうしたドラマが展開されていたのに
全然気付かないとは全くウカツであった。
(ま、ウカツってこともないか。笑)
特に男の方は、
共通の趣味があって帰る方向も一緒だったし、
割りと仲良く一緒に帰ってたので余計にそう思う。
と、同時に水臭いのう、とも思う。(笑)
色々なエピソードもありつつ、
一瞬ではあったけど中学時代に
戻ったかのような懐かしい気持ちと、
ザワザワする気持ちが混じりあった
何とも言えない一時を過ごしたのでありました・・・