先日のこと
またしても東京ビッグサイトに行く用事があった。
会場はイベントの準備に追われているようで、
そこらじゅうからトントン、カンカン、
大工道具を打ち付けるような音が響き渡る。
『マイクチェック、マイクチェック、ワンツー、ワンツー』
ステージと思しき場所からは、
先ほどからしきりにマイクのテストをする声が聞こえる。
以前にPAのバイトをやっていたこともあり、
目の前に広がるこの光景に少々懐かしさを覚える。
このマイクチェックのセリフは、
色々とその人独自の流儀があるようで(笑)
ナカナカにその人の個性が出るものだ。
『ハルォォォーオーゥ!!!』(ハロー)と、
思いっ切り巻き舌に叫ぶ方や、
『ツーッ!!ツッ!スァッ!!スィッ!!』などと、
息も吹き掛けんばかりに叫ぶパターンもあったりして、
ハタから見ていても非常に面白い。(いや、それが仕事なんだけど。笑)
当然ながら演者が立つ前のステージに立ち、
遠く離れた場所にあるPA席に居るスタッフに対して、
『ワンツーワンツー』を言う度に、キッとした表情になりながら
『もうちょいフェーダー上の部分を切って下さい。・・・ハイ、OKです』
などとテキパキ指示を送る姿は、つくづくカッコいいものだった。
やはり、どんな職業にせよ
『その人の代わりが居ない』
プロフェッショナルな人間は素晴らしいものだ。
それに引き換え、俺はどうだ。
自分にしか出来ないこと、
そこに存在する意味を確立すべく、
まだまだやらなきゃならんことは山積み。
これから先のことを思い、
若干クラクラしつつも、
結局やるしかねえんだろ、ケッ!!
赤銅色に染まる有明の空に、
そう呟いたある日の夕暮れであった・・・