2010年05月04日

再会のヨクヤキコーテル


さてさて・・・


いつも相変わらずな日記でございますが、
とうとう黄金週間終盤・・・


若干の寂しさ(いや、”若干”ではないかな)を抱えつつ、
先日の食べしB級グルメ


3A0949.JPG


まあ、相変わらずな日記相変わらずな王将でございますが、
久々に懐かしい方にお会いすることだったので、
いつもとは全く違う地での王将ナイトと相成りました。


3A0950.JPG
王将ラーメンセット  ¥920


もちろん餃子ヨクヤキ


かつての”師”との久しぶりの再会。


友人の方も交え、変わらない話に
いつでも”あの頃”に戻れるのが何とも嬉しい。


近々の再会を固く約束して別れる。


まだまだ、我々の本番はこれから。



面白いのはこれからだ。




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2009年05月31日

夢の中の校舎


さてさて。


久々に日記らしい日記


金曜の夜のこと。


前の仕事のつながりのお世話になった方で、
本職をこなしながら自ら劇団を持ち、
なおかつ脚本を書いて演出をするという非常に多才な方から
お誘いを頂いていたので、今回お邪魔することに。


いやあ、芝居を観るなんて実に久々なのだ。


キャパは150人ぐらいのこじんまりとした会場だったが、
小屋自体は新しくとてもキレイで、西欧風のオシャレな雰囲気であった。


あいにく天気も良くなかったが、その方のツテというか、人徳の成せる業(?)なのか、
駅から少し離れた住宅街の中にあるそこは、
何だか場違いなくらい盛況であった。


19時30分。



”レイトショー”は開幕。
お話的に「ちょっと・・・(汗)」という部分も、
正直言って無いことも無かったが、
舞台上の役者全員が厳しい稽古をしてたんだな、と、
客席までビシビシと伝わってきて、素晴らしかった。
やはり、稽古・練習・努力は裏切らない


特に素晴らしかったのがラストシーン
テレビ的な演出が功を奏した形で、死んでしまった娘を見送る母親。
そしてその娘。実際には母親しか舞台上には居ないのだが、その様。
天に還っていく娘の姿が実際に見えるようだった。


その帰り。


かなり遅めの夕食


CA3A0379.JPG


一人で食べる松屋の豚めし


せっかく、自分にとっては珍しく芸術的(?)なことをしたのに、
普段からよく行く松屋で、いささか雰囲気出ないメシであるけど、こういうのも悪くないかな。


いつもとはちょっと違う金曜夜の一人メシ。


久々に演劇の空気に触れられて、
しみじみとした感情を噛み締めながら頂いた。



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2008年02月29日

YATTA





気分が落ち込んだとき


後ろから背中をホンのすこし


ポン、と押してもらえるような


そんな映像


ちっちゃなことでアレコレ悩んでいることが


何だかとてもバカらしく思える



生きているだけでラッキーだ


キミが変われば全てが変わる




受身ではなく


自分から動いてみよう


ちょっとのことでいい


自分が変われば世界が変わる


一歩でなくてもいい


まずは半歩、踏み出してみよう


その先にあるもののために







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2008年02月22日

金曜の恋

いやあ・・・


金曜の夜は、
まっすぐおウチに帰ろうかと思ったんですが、
誘われて久々に飲みに・・・


ええと、それはそのう、

いわゆる若いお嬢さんがお酒を供しながら、

和やかに談笑をするタイプのお店
なんであります。


大体、
ああいったお店には、
たとえば、そうですねえ、


「分かる?キミィ、ぼかぁね、150万の契約をね、
ボク一人でまとめたんだよ?分かる?
大体ねえ、営業二課のヤマザキ課長を始め、
今、会社にはロクな人材が居ない。みんなアンテナが低いんだよキミィ。
分かる?150万の契約を一人だよ?」



みたいなタイプの方だとか、


「ええと、今日こそはサキちゃんとアフターしたいけどどうかな。
今日のドレスはいつも以上に谷間を強調していて、
明らかにボクのとを意識してると思うんだ。
だから今日はきっとイケルと思うんだ」



みたいな、ある特定の目的をお持ちの方でなければ
行ってはいけないんではあるまいか。


今まで数えるぐらいしか行ったことないけど、

ハッキリ言って『行きたくねえなあ』と、思います。


何故かと言うと、
お相手の方に必要以上に気を遣ってしまって
返って疲れてしまって全然楽しめないのですな・・・(´・ω・`)


何故か。


まあ、最初は楽しく歓談していたとしましょう。


しかし、フト気づけば、

すっかり相手のお話の聞き役になっている

パターンに陥ってしまうのです。

相談されたり、悩みを打ち明けられたり、
あるいは、コイバナされたり・・・


「よぉ〜し、今日は美咲ちゃんのためにフルーツ頼んじゃうぞぉ〜!」


なんてノリには決してならないのであります。断じて。


それに、
お召し物の方が、そのう・・・扇情的と言うんでしょうか、

全くもってもう直視出来ないんですよ(汗)


♀「・・・あの時は、私の方から告ったのね」

('A`)「そ、そそそ、そうなんだ(汗)」

♀「一緒に住んでたし、色々とケンカもして・・・。
  結局はお別れしちゃったけど、不思議なもんで、
  相手の好物とか、記念日とかイヤになるぐらい覚えてるもんなのね・・・」

('A`)「ああ、そう・・・」

♀「いい?好きになったらね、ウジウジしないで行動あるのみよ!」


バシン!(背中を叩かれる音)


('A`)「あっ、あぅあぅ・・・(大汗)」

♀「男だったら、強引にでも迫りなさいよ!女は待ってるのよ!」



バシン!(背中を叩かれる音)


('A`)「いや、でもオレ、別に好きな人とか今いな・・・」

♀「だからね、アナタも頑張んなさいよ!」



酔った瞳でそう言って、
更に俺の背中をバシン!バシン!と叩く。


何かの雑誌だかで読んだ気がするけど、
こうした接客をされる女性の基本姿勢って、
相手のヒザだったかに手を置いて、
スキンシップを図って好感度を上げる
効果とか何だとか・・・
(うろ覚えでアレなんですがw)


だったら、
背中をバシンバシン叩かれてるこの状況は、
一体なんなんだべか・・・


叩かれながらも、
そんなことをボンヤリと考える。


♀「・・・もうすぐ、だなあ。誕生日・・・」

('A`)「・・・もうカエリタイ」




まあ、上記はホンの一例で、
大概が「大丈夫だよ」とか
「頑張ればきっと上手くいくよ」等々、


何故かこちらが申し上げてるんですな・・・('A`)


ま、ここまで書けば、
今回ことも言わずもがな(ry



・・・(´;ω;`)ブワッ






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2008年01月25日

K☆Y

http://1093.seesaa.net/article/80300864.html


sneg?・・・と、
思わず口走りそうなのを何とか堪え、
男は立ち上がる。


ガンッ!!


勢いよく立ち上がり過ぎてしまったので、
思わず頭を棚にブツけてしまった。


高さ的に明らかな『設計ミス』なので、
ずいぶん低いところに吊り棚があるのだ。


・・・「ということなんです」だあ?
何が「ということ」だよコノヤロ!


男は植田まさし的なせりふを吐きつつ、
若干涙目になりながらギロリと睨みつける。


いや、悩んだっつてもねえ・・・


大体ねぇ。まあ、お前の行動はさておき、
相手の方ね。そう。女の子。まだ高校生だっけ?
う〜ん。おじさんはあんまり男の人のね、部屋に気軽に入るのって、
ちょっとこう、ヨクナイなあ、ってそう思うんだよね。


いけませんか・・・って、
そりゃあ、よくねーべよ!


俺がその場に居たらな、
「お前ら皆殺しじゃ」と今度は竹原慎二化してそう言うね。


え?分からない?


竹原だよ。元ボクシング王者の。
あの超ヤラセ番組でオナジミ(ひどい言いようだ。笑)のさ、
ガチンコのヤツだったんだけど。


・・・そうか。
観たことないかぁ・・・


まあ、ジェネレーションギャップってヤツだよね、ハハハ。
いや、別に無理して笑ってくれなくてもイイけどよ。
気を遣って笑われたら何かこう逆にツライわ。


あのなあ。
この際だからビシッ!と言わせてもらうけどな。


人間、何事もキチンと筋を通さなきゃなんねーんだよ。
それが何だ。付き合ってもいねーのに、
魅力がどうしたとか、そのう、セフ・・・いや、身体の関係がこうしたとか、
しゃらくせーこと言ってんじゃねーよ。


大体なあ。
仮に付き合ってたとしてもだよ、
日本人だったらな、公衆の面前で、手を繋いだりとか、
ベタベタしたりとか、そういう行為はダメ、絶対!!


まあ、百歩譲って、
誰の目にも触れない部屋の中とかね、
誰にも迷惑かけないような場所で二人っきりとかならさ、
構わないんじゃないかとは思うけどよ。


え?
まあ、確かにこないだのことは部屋の中での話か。


話が矛盾しているじゃないかって?


まあ、そう言う考え方もあるよーって、
ホンの一例を挙げたまでだろ。
イチイチうるせーんだよ。


確かにそうだなあ。
いや、お前はヘタレとかそんなんじゃねーって。
相手の子はまだ高校生だったんだよな?
相手のことが大事だったからこそ軽々しく手を出せない。
そうだよな?な?


いいねえ。
何っつーか、いかにも青春(死語)って感じだよな。



・・・ありゃ、居ねーんでやんの。
もうどっか行っちまったか。


う〜む・・・


こういうのを『KY』って言うんだべか・・・


イイ年した男は静かにそう思うのであった。。。


(´;ω;`)






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2008年01月23日

友だちから恋人に変わるとき。

男は24歳。


静岡から上京して来て、
小田急沿線の某駅に住んでいる。


いつも利用している24時間営業のスーパーで、
レジのアルバイトをしていたその娘と出会った。


「あのう、ひょっとして・・・なんですけど」

「はい?」

「もしかして、前にサンクスでバイトしてませんでしたか?」

「・・・え?ええ、そうですけど・・・」


レジの若い女の子に唐突に話しかけられて、
一瞬何のことか戸惑ってしまったものの、そう答える。
確かに以前サンクスでバイトはしていたのだ。


「私、よく覚えていたんですよ」


彼女はクスッと笑って、
ヒマワリのような笑顔を向けてそう言った。

その笑顔を見ながら、
ちょっとだけ暖かい気持ちになる。


そこで素早くメールアドレスを交換し、
それからちょくちょく二人で遊ぶようになった。


そして、
男の住む部屋にも遊びに来るようになった。


ある日のこと。


その彼女の得意料理である鍋を、
二人でつついていた時のことだ。


「どうしたの?何だか元気ないじゃない」



ずっと元気のない彼女の様子に気づいた男は、
俯いた顔を覗き込むようにして声をかける。


「私って、あんまり魅力ないのかなあ・・・」


湯気を上げる鍋越しに、唐突にポツリと呟く。


「・・・な、何言ってんの。この鍋美味しいなぁ。アハハ」


男は平静を装うとしたものの、
その声は明らかに上ずっていた。


「・・・私じゃダメですか?」

「何のこと言ってんのさ。あのねえ、
男の前でそんなこと言っちゃダメだよ。第一、まだ高校生じゃん」

「そんなの関係ないもん」

「いや、でも・・・そんなこと言ってたら、
ホラ、セフレって言うの?身体だけ、みたいになっちゃうよ〜」


男はギャグっぽくそう答える。
しかし、それは完璧に空回る。


「それしかないんだったら、それでもいいです・・・」

「いっ!いやいやいや・・・。
そんなねぇ、女の子がそんなこと言うんじゃありません!
アンタ、ズバリ地獄に落ちるわよぉ〜」


などと、にわかに某占い師化して説教をしてしまうのであった。


男には、この微妙な空気・・・


いわゆる『良い雰囲気』がたまらなく心地悪かった。


少しでもこの流れを変えたかったのだ。


別にお互い付き合ってる訳じゃない。


このままの関係だっていいじゃないか。


年の差はちょっとあるけど、
電話でしゃべったりするぐらいだったら相変わらず楽しい。


せっかくの「仲の良い兄妹」みたいな関係を、
わざわざ壊してしまう必要はない。


相手の中に踏み込んでしまったら、
もう後には引き返せなくなってしまう。


男にはそのことがたまらなく怖かったのかも知れない。


結局、男の姑息かつささやかな努力は報われず、
その日は二人とも無言のまま別れた。


今でも、相変わらず『妹のような存在』として、
たまに遊んだりメールしたりしている。

電話とメールの頻度はどんどん少なくなってるけど。



これで良かったんだよな・・・


ほんの少しだけ痛む心を抱えながらそう呟く。


そして、
あともう少しで卒業を迎える彼女の、
あのヒマワリのような笑顔を思い出し、
静かに微笑むのであった。





ブレスは定番商品。すべての邪気を取り除いてくれる「水晶」と、女性に人気の恋に効く「ローズクウォーツ」で作ってあります。女..

ラベル:友情 恋愛
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2008年01月06日

Next Stage

「・・・あら?痛いんだったらハッキリ言ってくださいね・・・」

「・・・は、はい」



仕事場のすぐ近所の整体院。

俺はうつ伏せになってマッサージを受けている。

そして普段通り、その女性スタッフと軽口を叩きつつ、
その何気ないやりとりを楽しんでいるところだ。

その、穏やかな、ゆったりとした時間がにわかに変わったのは、
俺の不用意な(後から考えれば、だが)一言だった。

その女性スタッフは、
キロロのピアノを弾いてる方に微妙に似ていて、
南方系というか、ハッキリとした顔立ちで、
いかにも情が厚そうな雰囲気を全身から漂わせている。

こういう仕事をしているから、
誠に当然ではあるけれど力も強くて、
腕力に割りと自信がある俺ではあるが、
彼女にはタジタジになることも決して少なくない。

「・・・何かスポーツとかやってたの?柔道とか、レスリングとか・・・」

「やめてください」

ピシャリと言い放つ。

「こう見えても私、おしとやかで通ってるんですからね」

「おしとやか、ねぇ・・・」


俺のその言い方に、彼女はあからさまにムッとしたようだった。

「それでおしとやかだったら、
そこら辺歩いてる人みんな・・・いだだだだだだッ!!!」

急に腰の辺りを揉む力が増す。

・・・そこで冒頭でのやりとりにつながる訳だ。

彼女はここの整体院に通う人(お年寄りが圧倒的に多い)から、
とにかく好かれているのは確かだ。

実際、孫の相手に・・・なんて話も一度や二度ではないらしい。

「へぇ。世間の嫁不足ってのは深刻な問題なんだねぇ・・・はぐッ!!!」


そこまで言いかけたところで、
俺の腰はガキッ!!とスサマジイ音を立てて奇妙な形でねじれた。

「・・・だいぶ腰は痛んでますねぇ」

彼女は極めて事務的に、
いや、そう俺に見られてる時点で失敗なのだが、
機械的に振る舞い、あまり抑揚のない声でようつぶやく。
内心全く違い思いなのは日を見るより明らかだった。

「それから・・・」

「ひッ!」

彼女はキッ、と俺を見下ろす。
その表情は険しく視線は鋭い。

片や、それを見返す俺と言えば、
車にひかれてしまったアマガエルのような無様な格好であり、
この時点でも勝負あった!という感じでもある。

重苦しい沈黙の空気が包む。

依然として施術しては貰ってるものの、
二人の間には隙間が出来てしまったかのようだった。

シュンシュンという加湿器の音だけが、その隙間を埋める。

「・・・それから、昨日、お昼に角のマツキヨの前を歩いてたでしょ?」

「ああ、歩いてたかな・・・」

「その時に私がせっかく挨拶したのになんで無視したの?」

「いや、だって、俺、目が悪いからさ、
それで・・・気づかなかったのかな・・・多分」

意外なセリフに額にジワッと汗がにじむ。

それは決して効き過ぎる暖房のせいではなかった。

「・・・ふうん。ニヤニヤしててイヤらしい。
どうせまた変なこと考えてたんでしょ」

「なッ!!何を、この・・・!!」


グギッ!!!!

そこまで言いかけ、上半身を起こそうとしたところで、
必殺のヒジ、とヒザのコンボを食らう。
痛みのビッグウェーブが俺を襲う。

ああ、これだったらまだ腰の痛みの方が耐えられるな・・・

徐々に暗くなっていく視界の中、
そんなことをぼんやりと考える。

レディファースト

やっぱり先達(せんだつ)はあらまほしきもの、なのであるな。

『徒然草』兼好法師も、そうおっしゃってた。


次からは十分気をつけよう。


その、『次』が来るならば・・・


posted by RT at 22:49| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月31日

赤銅色の空に呟く夕暮れ

608600764_120.jpg


先日のこと


またしても東京ビッグサイトに行く用事があった。


会場はイベントの準備に追われているようで、
そこらじゅうからトントン、カンカン、
大工道具を打ち付けるような音が響き渡る。


『マイクチェック、マイクチェック、ワンツー、ワンツー』


ステージと思しき場所からは、
先ほどからしきりにマイクのテストをする声が聞こえる。


以前にPAのバイトをやっていたこともあり、
目の前に広がるこの光景に少々懐かしさを覚える。


このマイクチェックのセリフは、
色々とその人独自の流儀があるようで(笑)
ナカナカにその人の個性が出るものだ。


『ハルォォォーオーゥ!!!』(ハロー)と、
思いっ切り巻き舌に叫ぶ方や、
『ツーッ!!ツッ!スァッ!!スィッ!!』などと、
息も吹き掛けんばかりに叫ぶパターンもあったりして、
ハタから見ていても非常に面白い。(いや、それが仕事なんだけど。笑)


当然ながら演者が立つ前のステージに立ち、
遠く離れた場所にあるPA席に居るスタッフに対して、
『ワンツーワンツー』を言う度に、キッとした表情になりながら
『もうちょいフェーダー上の部分を切って下さい。・・・ハイ、OKです』
などとテキパキ指示を送る姿は、つくづくカッコいいものだった。


やはり、どんな職業にせよ
『その人の代わりが居ない』
プロフェッショナルな人間は素晴らしいものだ。


それに引き換え、俺はどうだ。


自分にしか出来ないこと、
そこに存在する意味を確立すべく、
まだまだやらなきゃならんことは山積み。


これから先のことを思い、
若干クラクラしつつも、
結局やるしかねえんだろ、ケッ!!


赤銅色に染まる有明の空に、
そう呟いたある日の夕暮れであった・・・





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2007年09月15日

心がザワザワする日

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つい最近友人からの話に久しぶりに心がザワザワする。


中学生時代の話


ある一人の男がいた。

背は高くてスラリとしていて、
黙っていればかなり男前な部類の生徒だ。


しかし、
その男には決定的に欠点があって、
虚勢を張る、というか
自分を必要以上に大きく見せようとしがちな部分があった。


そこのところが、
クラスの大部分の男子に鼻についたのであろう、
彼は完璧にいじめられる側の人間であった。

そして気づけばいつも教室の隅で
一人たたずむ姿が目立ちはじめ、
遂には学校に来なくなってしまった。


一方、同じクラスに一人の女子生徒がいた。


その子は、明るく元気を絵にかいたような子で、
成績こそ多少アレであったものの(汗)
いつも大きな声と朗らかに笑った顔が特徴的な子であった。

学園もののマンガなりアニメに必ず出てくるような、
爆弾娘、というか、とにかくパワフルな女子生徒なのである。


上記の通り、
明るく元気で男子でも気軽に話しかけたり
(そんな時代だったのだ。苦笑)、
時には下ネタなどにも気さくに乗っかったりもしていたので、
男子からの人気はナカナカなものであった。


その一見全く接点が無いような二人の恋バナに、
思わず心がザワザワとしてしまったのである。
(年甲斐もなく。笑)


何故かと言うと、
その両者ともクラスは違うのだが
部活の関係でよく知っていたのだ。


中学校の部活で
軟式テニス部に所属していた男とは同じ部だったし、
女は女子のテニス部に所属していたので交流があった。


思えば、
向こうから気さくに話しかけられても、
その当時のワタクシは、


「ねぇねぇ、そのラケット良いねぇ。ちょっと見せてよ〜」


「知らん」


「まだ練習してんの?途中まで一緒に帰ったげるよ」
(帰る方向は全然違う)


「知らん」


常にそんな感じでございました・・・。


仮に今だったらどんな感じだろうか。


「ねぇねぇ、そのラケット良いねぇ。ちょっと見せてよ〜」


「ハイッ!!いいよおおぉ〜!!」


などと二つ返事どころか
一つ返事ぐらいのイキオイで答え、


「ついでに俺が手取り足取り教えたげるよエヘエヘ」
(ただのセクハラオヤジやがな)


などと余計なことまで口走ってしまうのであろうか。
(んなもん知るかよ。笑)

・・・・・・・・・・


ええと、話が逸れましたね。(汗)


クラスの人間から疎外され、
常に孤独の影を引きずる男。

そして、
その男に授業のプリント届けてあげたり、
可哀相だからと色々と気にかけてあげているうちに、
いつしか恋心が芽生えた女。


同情から愛情へ・・・という感じなのであろう。


う〜む・・・


その当時の自分は、
割りと真面目に部活動に明け暮れる毎日であったので、
そんな機会はついぞ訪れることは無かったが、
すぐ身近な場所でそうしたドラマが展開されていたのに
全然気付かないとは全くウカツであった。
(ま、ウカツってこともないか。笑)


特に男の方は、
共通の趣味があって帰る方向も一緒だったし、
割りと仲良く一緒に帰ってたので余計にそう思う。

と、同時に水臭いのう、とも思う。(笑)


色々なエピソードもありつつ、
一瞬ではあったけど中学時代に
戻ったかのような懐かしい気持ちと、
ザワザワする気持ちが混じりあった
何とも言えない一時を過ごしたのでありました・・・
posted by RT at 01:51| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月28日

sunsetbuild39.jpg



ここのところとても疲れている


肉体的ではなく、
精神的にとても疲れている


始めは単純な行き違いだった


お互いに言葉足らずな部分はあったのかも知れない


しかし、それが何の説明にも、
ましてや解決の術にならないことは理解しているつもりだ


言葉は力


言葉には、古くから「言霊」と
言われるほど力があり、魂がある


前向きな言葉には、
自身が進むべき道を照らす希望の光がやってくる


後ろ向きな言葉には、
自身をすっぽりと包む深い暗闇がおとずれる


そして、人を呪う言葉には、
自分自身を滅ぼす言葉として跳ね返ってくる


言葉は人を勇気づけ、時には傷つけもする


だからこそ、言葉には気をつけたいし、
人に対しては常に笑顔でいたい


他人は自分自身を写す鏡だ


もし人から嫌な顔で見られてたとしたら、
それはきっと自分が嫌な顔をしているからだろう


自分を取り巻く環境、
他人を変えようと思ったらまず自分自身が変わること


人は決して一人じゃ生きられない


だからこそ、他人を思いやる心を持ちたい


そして、相手の気持ちを理解し、相手を許し、
相手の立場に立って物事を考える心のゆとりを持とう


そう思って今は地を這い泥にまみれ、
もがき苦しみながらも、
この先の遥かな道を目指して歩いて行きたい


ただただ、
他のことは一切考えず


ひたすらに歩いて行きたい
posted by RT at 00:05| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月01日

N氏からの手紙

先日の日記にも登場した方(仮にN氏としておく)より、
届けられた言葉である。



まずなあ、何の話からしたらええかな…


ワシな、大阪の西成で生まれ育ってな、
知ってるか?西成。有名なとこや。
けったいなヤツらが仰山いてる。ワシが育ったんは特に酷い…
ワシは決してそうは思わんかったけどな、
西成でも本当に酷い地区やったんや。学校も凄かったけどな、
それ以上に凄いんが街の中や。

学校から帰る時なんか、暴動が普通に起きとる。
ニュースなんかでようやっとるパレスチナみたいなもんやね。
ほんで、ブロックの破片やらビール瓶やら鉄パイプやらが
ボンガボンガ飛び交っとる中、
血だらけになって転がってるオッサンらを
掻き分け掻き分けしながら家に帰っとったわ。
みんな元気なもんや。

学校はそりゃ酷かったで。
あんな『スクールウォーズ』みたいなん可愛いもんや。
ワシらの頃はな。
ただな、今みたいな弱い者イジメしたりな、
なんや陰でコソコソやったりとかそんなんだけは絶対にせえへん。

ワシは卑怯なこととか曲がったことが大嫌いやった。

ウチの学校にもな、
他校の悪い奴等が仰山来よんねん。
学校におる気ぃ弱い子ぉらとかな、
真面目な子ぉとかをカツアゲしたりすんねんな。

ワシは、まずそいつらを見つけてボコボコにするやろ。
ほしたら、取られた金は、ちゃんとその子らに返してやんねん。
ほんで、カツアゲしていた奴等からは、有り金全部頂くのよ。

まあ、何て言うたらええんかなあ…
「悪いことは、やったらアカンよ」言うんを教えてやる
ある意味『授業料』みたいなもんやね。
まあ罰金て言うてもええわ。


で、何でワシがそんな話したか言うとな、
ワシは今の日本の現状、全ての元凶は教育やと思てる。
これは決して学校の先生だけの問題やないで。
子供の親や、それを取り巻く全ての環境の問題や。

今、子供が…いや、子供だけやない大人もや。
ちょっと何かコケたりしたらすぐ死によるやろ。
みんな疲れた顔してその日その日を必死になって生きてる。

それがお金やったり、あるいは色んな物やったり・・・
とにかく人間が心やなくて物に「動かされて」生きとる訳や。

ほんで、ちょっと上手く行かなかったり、
失敗したりして挫けると、もうポーンと簡単に死んでまう。
こんなけったいな社会に夢も希望もあるかいな。


そりゃあワシは西成で生まれ育って、
ロクな学校も出てなければ、
定職にも就かずにヤクザな仕事しとる。
けどな、良いもん、悪いもんを見分ける目ぇは持ってるつもりや。


今の若い子ぉらには、とにかく簡単に諦めんな、と言いたいわ。

ワシをよく見てみい。
散々ボッコボコにされて血だらけになったり、
連帯保証人になってもうて億単位の借金抱えたり、
失敗を仰山して来たわ。いや、失敗の人生やったかも知らん。

でもな、そんなんでもこうしてしぶとく生きてるんやで。
笑って話せてるんやで。
それもこうして生きとるからや。


そもそもな、
ワシも便宜上『失敗』なんて言うてるけどな、
失敗とか成功なんて誰が決める?
自分の人生や。
他人の物差しで計られる人生なんて糞食らえじゃ。


空振り三振ゲームセットで、はいオシマイ、
みたいな単純な話やない。
つまずいたって泣いたって、
人生にはそっからまだまだずっと続きがあんねん。
その続きを作るのも止めるのも自分自身や。


ただな、止める言うてもな、自殺するんに正義なんてあれへん。
現実から逃げとるだけや。

自分の人生ぐらい自分で幕を引きたい?
思い上がんのもええ加減にさらせボケェ!思うね。
お前一人で勝手に生まれて来たんちゃうど。
ここまで大きなったのも、全て周りの環境のお陰や。
ええか、人間は「生きとる」んとちゃうで。
「生かされ」とんねん。

それが神やったり仏やったり、そんな小難しい話やない。
親やったり、友達やったり、
自分に関わる全てのもんのお陰で生かされとんねん。
生きるっちゅうんは、それだけのものを抱えとる言うことや。


これだけは、この先のある若い子ぉらに言うときたいけどな、
偽善でも、ええ格好しいでもない。

ただ、こんなゴミ溜めみたいなところで生まれ育って、
地べたを這いずり回って生きて来た人間を、
その目でよう見とくれ。

こんな人間でも大手を振って生きとんねん。
そんなんに比べたらどや。
何を生きることに躊躇(ためら)いがあるか。

堂々と生きたらええ。
飾らず、肩肘張らずありのままの姿で生きて行ったらええ。
生きとったらな、
人間なんて意外と何とでもなるもんや。
ワシみたいなもんでもな。


ワシみたいなもんでも生きてる。
そこんとこよう見といてくれ言う気持ちやね。今は。
少しでも「存在しとったで」言うオノレの証明のためにもね。


(談)
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2007年06月13日

最終電車に乗って

syuuden.bmp



最終電車は良い。


最終電車は、しみじみとしている。


基本的に終電の乗客はアルコールが入っている方が多い。
特に頭部がバーコード状になっているようなタイプの
お父さん方の会話…。
(大声で喋ってるから否応なしに耳に入ってしまう。笑)


たちまち『家がどんだけ遠いか自慢』みたいになるのだった。


(例)「ワタシはもうこの時間だと都営新宿線から新宿で、
そっから小田急線に乗り換えて鶴川駅からタクシーなんですわ」


「ああ、そうなんですか、ワタシの方は新宿から中央線で、
武蔵小金井まで行ってそっからタクシーに…」


そんなことを若干ロレツの回らない口調で言い合いしながら、
「本来ならば…」と話は続く訳ですな。


その口調には無念さというか、
若干のやるせなさがにじみ出ています。
それも当然です。

毎月少ないお小遣いで必死にヤリクリしている
お父さんたちであります。
本当だったらタクシーなんて使いたくないはずなのです。

それなのに定期だって買ってるのにタクシー代で痛過ぎる出費だわ、
バスとか特に早く終わってしまうし、
あのバカ専務が調子に乗って延長なんてしやがるから
俺がこんな目に遭うんだクソッタレ!等々…
ぶつけようのない怒りにうち震えているようにも見えます。


みんなそれぞれに、ツラいこと、悲しいこと、
苦しみや悩みを抱えながらも、
それと向き合って必死になって頑張っているんだな。


『毎度ご乗車ありがとうございます。本日の下り電車の最終になります。
くれぐれもお乗り過ごしのないよう、お気をつけ下さい。
尚、上り電車は既に終了しております。
乗り過ごされても折り返しの上り電車はございません。ご了承下さい』


そんな車内アナウンスを聞きながら、
シートに深くもたれ心地良い疲労に包まれていた男は、
読んでいた文庫本を静かに閉じる。


そうして、「しみじみ度」を更に加速させて
最終電車は夜の闇を切り裂きながら走って行くのだった。



※本文と画像は関係ありません
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2007年05月28日

いつか見た青空

aozora1.bmp


昨日…というか、
今年に入って一番ショックだったこと



俺には同い年の幼馴染みでK君という人がいた。


その彼とは小さい時から実によく遊んだ中で、
お互い『初代ファミコン世代』ど真ん中なこともあって、
互いの家を行き来しゲームをやったりしていた。
きちんと「自分の部屋」を持っていた彼の家に
行くことの方が圧倒的に多かったが。


また、俺とは違い運動神経も抜群で活発な子だったので、
原っぱでゴムボールを使った野球をやったりもした。
そして、ゲームも上手かったが同じように野球も上手かった。


その上、明るくひょうきんな性格でもあったので、
彼の周りには常に人が集まっていた。



一方、俺は内気で運動音痴で友達も少ない、
彼とは全く対照的な子供だったので、
普通だったらとても性格的に合うはずがないのだが、
逆にそれが良かったのか不思議に仲が良かった。


そんな彼は、
少々複雑な家庭環境だったこともあり、
親の都合などで小学校の卒業を待たずに都会へと
引っ越して行ってしまった。


その後、何度か年賀状のやり取りをしたり、
地元にお祖父さんとお祖母さんが住んでいるので、
帰って来た時に一度か二度ほど会ったぐらいで、
それ以降は、もう何年もご無沙汰をしていたのだった。


そして、今日。


久しぶりに、
その彼のお祖母さんに近所のスーパーで会った時に、
何の気なしにK君の近況を聞いたのである。


そのお祖母さんの口から出た言葉。


K君は死んだ。


交通事故だった。


自分で車を運動していて、
スピードを出し過ぎてカーブを曲がり切れずに…だったそうだ。



そのお祖母さんには、
何てお悔やみの言葉をかけて良いか分からなかった。
順番で行けば自分が先に逝くべきところを、
自分の息子(K君の父親)を病気で亡くし、
そして今度は孫を事故で亡くしてしまったのだ。


そして、更に辛かったのは、
彼には結婚を控えていた女性がいたということだ。


このことを聞いて、本当に胸が痛んだ。
その相手の女性の心中は察して余りある。
どんな言葉を持ってしても表現なんか出来やしない。


そんなK君のせめてもの救いは、
完全な自損事故で「誰も被害に巻き込まなかった」ことだった。


誰も巻き込まずに死ぬ。

何もこんなことまでK君らしく死ぬなんてなあ。
明るくてひょうきんで誰からも好かれる子だったけど、
最後の最後まで優しくて、気が利くヤツだったなあ君は。


俺なんかとても彼の足元にも及ばない、
取るに足らない人間なのに。
だが、そんな人間でもこうして生きている。
片や誰からも好かれ愛されていた人間の命を奪う。
本当にこの世には神も仏も居ないのか。


「あいつの分まで生きる」なんて陳腐なセリフは、
今の俺にはとてもおこがましくて言えない。


だから、せめて彼に笑われないように、精一杯生きよう。

一所懸命生きよう。いつかまた会える時のために。



何だかまだ頭が混乱しているけど、
最後に心の底から彼のご冥福をお祈りします。


合掌。

posted by RT at 12:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月24日

ある日の車窓に

syasou.bmp


ある日の出来事だった


俺は新宿へと向かう電車を一人ホームで待っていた。


その時だった。
一人の若い男性が歩いて来るのを見た。
その男性は右足を若干引きずるようにしながら歩いていた。

その若い男性と目が合う。

彼はニコッと微笑み、
スッと俺の目の前に携帯電話を差し出した。


差し出された携帯の画面には、

『驚かせて ごめなさい ぼくは 耳が聞こえません』

突然のことに思わず驚いて、
彼の顔をまじまじと見てしまう。
彼は少しバツの悪そうな表情を浮かべながらも
再び携帯のボタンを打ち始めると、

『新宿には こちで良いですか?』

再び携帯の画面をこちらに差し出す。
彼の目を見つめながら、笑顔でコクンとうなづくと、
彼はホッとしたような笑顔を返した。


昼下がりの電車は空いていた。

『となりに座って良いですか』

またも笑顔でうなづくと、
お互い黙って携帯の画面を見せ合う、
傍から見たらとても奇妙ながらも、
それでいて濃密なやりとりがそこにあった。

聞けば彼は、
新宿へと久しぶりに『お父さんに 会いに行きます』
とのことであった。

久しぶりの再会だし、嬉しくも緊張感でいっぱいなのだろう。


しかし、
それと同時に彼の表情から、
その家庭環境の複雑さを思わせてもいた。

俺は、それ以上そのことに深入りするのは止め、話を変える。

『好きな食べ物はなんですか?僕はラーメンが好きです』

なんてつまらない、
そして気の利かないセリフだろう。

しかし、彼は穏やかな笑顔で『ぼくも ラーメンだいすきですよ』


この奇妙なやりとりにちょっとおかしくなりつつも、
電車の中の携帯って常に悪く思われてるけど、
こうして良いこともあるんだな…そう思った。

そして、そのことを携帯に打ち、彼に見せて一緒に笑った。

そんなやりとりをしながら、
電車は終点の新宿へと到着した。

『またあえると いいですね』

『きっとまた会えますよ』

別れ際、彼はやっぱり穏やかな笑顔を浮かべながら、
新宿駅の雑踏に消えて行った。

この後お父さんと一緒に、
大好きなラーメンを食べるかも知れない。


携帯を握り締め、
用事を済ませたら俺もラーメンを食べに行こうかな。

そう思ったある日の午後だった。
posted by RT at 13:26| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月17日

納豆リーガ、危機一髪!

natto.bmp


納豆が大変好きである。

とりあえず毎晩のように食べているのだが、
納豆を見る度に思い出すことがある。


今から10年ほど前に勤めていた所の先輩に、
杉浦さん(仮名)という人がいた。

先輩…と言っても、もうとうにその当時で50歳を越えていたのだが、
納豆を食べる度にその杉浦さんの姿を思い出す。
杉浦さんは、毎日昼は大抵近所のコンビニで
『白いご飯のパックと納豆、お新香、
マルハのイワシ蒲焼の缶詰』等を買うのである。
時には缶詰が『サンマの蒲焼』だったりした時もあったけど、
まあ、概ねそのようなラインナップであった。


まず、納豆をかきまわす時は普段のオチャラケタ雰囲気とは一転、
真剣な表情でひたすらかきまわす。
そしてそれを白いご飯の上にかける。


驚いたのはこの後なのだ。

白いご飯に1パック全部かけたと思ったら、
すかさずそれをワシワシとご飯ごとかきまわすのである。
そして、その時の表情はまるで可愛い我が子を
あたかも慈しむかのような感じでもあった。


そして、いよいよそれを食べる。

ズルズルーッ!!と、
素晴らしい音を立てて混然一体となった納豆ご飯をすすり込む。


ご飯に納豆を一口分ずつ乗っけて食べるしか、
恥ずかしながら考えが及ばなかった当時の俺には、
これは青天の霹靂(へきれき)みたいな出来事だった。

ハッキリ言ってしまえば、
これにはカルチャーショックを受けたのである。

これを日本の歴史に喩えたら、大化の改新とか、蒙古襲来とか、
種子島へ鉄砲伝来とか、黒船来航とか…(いい加減シツコイな)
俺の中ではそんなことに匹敵するぐらいの出来事だったのだ。


そして、ここからが本題なのであるが、
この姿を見た夜は必ず納豆が食べたくなった。
仕事帰りにスーパーへと矢も盾もたまらず、
駆け込むように出かけてしまうのが常であった。


要は、それだけ他人に影響を与えてしまうほど、
旨そうに納豆を食べる訳なのである。

これは恐るべし「商品訴求力」なのだ。


杉浦さんのあの食べっぷりは、
一種のプロと言っても過言ではないほど、
それはそれは見事な食べっぷりだったのである。
そして、更にそれを一歩進めて
これを「プロ化」出来ないものかとフト思ったのだ。


こうして実際に食べている姿を見てるだけで、
思いっきり影響受けて納豆を買いに行ってしまった人間が実際にいる。

これはスポンサー企業にとっても
なかなかに魅力的なデータ(俺の一件だけだが)と事例ではあるまいか。

だって『永谷園のお茶漬け』CMだって、
見ず知らずの兄ちゃんが「フーフー、ズルズル、アチー」などと
言いながら、ひたすらお茶漬けを食べているのが成立するんだったら、
この納豆のプロリーグだって成立するはずなのだ。(無理だろ)


まあ、いきなりプロとして運営、
活動となると色々と組織的にも財政的にも難しいだろうから、
まずは納豆を作ってる企業に所属するような形で、
とりあえず最初のうちは午前中は会社の総務課などで仕事して、
午後から練習するようなセミプロっぽい感じで行くしかないだろう。


試合の時には、納豆用(?)ユニフォームの胸や背中及びソデなどには、
貴重な収入源だし宣伝ということで
ぜひスポンサーの名前を入れたい。
例えば「ほねげんき」とか「おかめ納豆」等の商品名から、
「旭松」や「タカノフーズ」みたいに企業名を入れる手もある。
個人的には「かじのや」とか「くめ納豆」とかのマイナーな
(ごめんなさい)会社を心情的にもぜひ応援したいところだが。


それが何年か続き、
リーグも熟成されて白熱した試合が
そこかしこで展開されるようになったら、納豆企業の社員だけでなく、
その頃にはJリーグよろしくちゃんとしたサポーターグループも
当然ながら結成されるだろうから、
その時はぜひタイコ持参でコールリーダーとして参加したいところなのだ。

そして…
その白熱する納豆リーガをまとめる初代チェアマンには、
ぜひ杉浦さんに就任してもらいたいと強く思う次第なのである。



…と、マッタリした夜に納豆をかきまわしながら、
そんなことを妄想するのでありました…



杉浦さん、今もお元気だろうか…
posted by RT at 12:43| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月20日

男女の友情と愛情

男女間の友情について…



「男女の間に友情」は成立するのか?


巷間にあふれる雑誌やテレビ番組などで、
手垢にまみれ擦り切れてるようなテーマではあります。


個人的な見解では「有り得る」と断ぜざるを得ません。


が、しかしそれはどちらかが相手に対し、
「異性」を意識してしまった時点でその関係は脆くも瓦解してしまう、
非常に綱渡り的な危うい関係性を秘めている訳であります。


したがって、そのような危うい関係であるが故に
人々を引きつけて止まないテーマなのでありましょう。



ここに一組の男性と女性の「友人」がいるとしましょう。


その友人同士は、同じ布団に雑魚寝出来るような、
お互いに「異性」というものを意識しない間柄です。


つい最近、その女性の方に、彼氏が出来ました。


お相手は会社の人間でした。


同じ社内でもフロアが違うので、
そうそう顔を会わすことはないのですが、
携帯のメールだったり、はたまた内線電話だったり、
周囲の人たちには内緒ながらも、
ちょくちょく連絡は取り合ってる訳です。
つい最近も二人で伊豆へ旅行に行ったらしく、
照れくさくも幸せそうに語る彼女の姿を見て、
男性の方は思いました。


女性は恋愛をすると変わる…もっと言えば、綺麗になる。


よく聞くことですが、そのことを実際に目の当たりにして


「やっぱりそれって本当だったんだなあ」


その男性はつくづくそう思います。


女性と、そのお付き合いすることになった彼は長い付き合いで、
しかもその女性の直属の上司。


あくまでも「仕事上の」お付き合いであって、
お互いこういうふうになるなんて実際思ってもみなかったから、
つくづく男女の間って不思議なものです。


実はその友人の男性とも、負けず劣らず長い付き合いなのですが、
その男性とはどこまで行っても「友達」


一度、お互いにあんまり浮いた話がないので、


「付き合ってみようか?」


どうやらお互い周りから見ても
「お似合いのカップル」
みたいだし、当然誰よりもお互いを理解してる。
それに何より一緒に居て楽なのです。


どちらからともなく、
そんな話の流れになるのも自然なことでした。


しかし、何度か彼氏彼女として改めて「デート」を重ねても、
どこか心と身体が一致しないのです。


どこに遊びに行こうが、どこに旅行に行こうが、
二人はどこまで行っても結局は「友達」だったのです。


二人は、あまりにも長く付き合ってきたために、
もうドキドキのない「友達」になってしまったのでしょうか。


でも、
片や同じく長い付き合いでも「異性」を意識出来る相手もいるのです。


…この違いって何なんだろう?


男性の方は、そう思ってしまいます。
でも、同時にそんなことを考えたって答えは出ないことも
心のどこかで知っています。


心と身体は密接な関係を持っていて、
理屈では割り切れない物だからでしょう。



一方、別なところに一人の男がいます。


かつては何百人といる暴走族のリーダーで
地元では知らない者のいないほどの男でした。


「男はね、死ぬほど惚れた女だったら、陰で幸せを祈るものなんですよ」


まるで自分自身に言い聞かせるかのような、
少々自己陶酔気味にそう言って、水割りを一気に飲み干しました。


その男にとって、このセリフは大のお気に入りで、
特攻服に刺繍を入れてたり、バイクに書いたり、
そこらへんの至るところに書きまくる困った男なのですが、
妙に愛嬌があって憎めない男です。


本人はモテるモテるなんて言ってますが、
本当は知っているのです。


札付きのワルで、見た目も怖そうで、
周辺の敵対する暴走族の人間からも恐れられてる男も、
本当に心の底から好きになった女性の携帯番号とか
メールアドレスを聞く時に、指が震えるってことを。


そして、そうやってやっと連絡先を聞き出し、
心から大事にしたいと思う相手ほど、上手くいかなかったりする。
相手の女性曰く「良いお友達でいたい」と。



もう会わなくなって久しいけれど、
今となってはその男の言葉を思い返し、
しみじみと噛み締めたりします。


「男はね、死ぬほど惚れた女だったら、陰で幸せを祈るものなんですよ」


例え友達としてでも、心から好きな人の近くに居られるのならば、
敢えてその脆くもはかない幸せを、せめて壊さないように、
相手の幸せを陰からそうやって祈るのも、
これはこれで一つの恋愛の形なのかな…と、
男はそう思った夜なのでした。


posted by RT at 12:56| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月19日

ある恋の始まり

ある日の電車内の光景


その日、自分はとあるお笑いのライブを観に、
横浜へと足を運んでいた。


そして、お目当てのライブも見終わり、
家路へと向かう電車の中にあった。


そのライブ自体は、そんなに面白かった〜という内容じゃなく、
むしろ期待したほどじゃなかったな…などと思いつつ、
座ってボーッと車窓から流れる景色を見るともなしに眺めてると、
ふとある男女の会話が耳に飛び込んできた。


「ん?」


と、思った。


ヒョッと首を左舷方向へとねじ曲げ見ると、
そのカップルは、年の頃は20代半ば…という感じで、
特に「ん?」と思ったのはその会話の中身であった。


その二人は、お互いがお互いに敬語で話をしていたのである。


その二人は、実にさわやかで初々しい感じが
全身からみなぎっていて、とても好感が持てる二人だった。


男性の印象は、とにかく真面目そうで、
きちんとジャケットを着込み、
とにかく今出来る精一杯のオシャレをしてきました、
というのがヒシヒシと伝わってくるし、
それと同時にこのデートに対する並々ならぬ決意というものを思わせた。


片や相手の女性も、とても真面目そうで、
清楚なスーツっぽい服装をしていて、
決して嫌々来ている感じではなく、
自分を誘ってくれた男性に対し精一杯のオシャレで
それに応えようとしているのが伝わってくる。


お互い敬語で、しかも若干ぎこちない会話と空気、
そしてこれだけキチンとされた服装…。


『これは初デートだ…』


そう思った。


恐らく職場の同僚か何かで、男性の方から今日のデートを、
普段からあまり女性と話すのが得意でない彼にとって、
必死な思いで誘ったのであろう。(勝手な決めつけだが)


そして、初デートは無難にみなとみらいの109シネマズあたりで
映画でも観て、その後中華街でご飯を食べて現在に至る…
というコースだったのかも知れない。


そんな二人を乗せた電車は間もなく横浜へと到着する。


女性の方はこの駅で降りなければいけないようだった。


二人のデートの非情なる強制終了。
「終わり」までのカウントダウンが否応なしに始まる。


早く彼女の連絡先を聞かなければ。

ここを逃せば次のチャンスは無いかも知れない。

『頑張れ!』

『男だったらやらねばならない時がある。やらない後悔よりも、やった後悔だ!』

『失敗を恥じることはない。それに挑戦しなかったことが恥なのだ!』


そのやりとりを見ている俺は(別に聞き耳を立てていた訳ではなく、すぐ隣りで繰り広げられてるので仕方ない)すっかり男性の「サポーター」と化し、思わず両手の拳にも力が入る。


やっとのことで、汗をかきながら彼女の携帯の番号とアドレスを聞く。


そして、震える指で懸命に携帯に登録する。


「間もなく横浜、横浜です。お忘れ物をなさいませんよう、お手回り品をご確認下さい」


無情にも、そこへ割って入るように車掌のアナウンスが流れる。


そのことが更にプレッシャーになったのか、
ますます指は震え、何度も何度も打ち間違えては直す彼。
もう時間が無い。


と、そんな危機的状況の中、火事場の馬鹿力というか、
虚仮(こけ)の一念岩をも通すというか、
彼の潜在能力が覚醒したようで、
まるでそのアナウンスがキッカケになったかの如く、
ウソのように指の震えが止まり、目覚ましいスピードで
無事に携帯への登録を完了した。


その指さばきのあまりの見事さに、
そして見違えるような覚醒っぷりに俺は思わず息を飲んだ。


そうなのだ。男は好きな女のためなら何だって出来るんだな、
まざまざと見せつけられる思いだった。


横浜で降りて、ホームから彼に向かって周りの目も気にせず
笑顔で手を振る彼女…

そして、車内から恥ずかしそうに、でもとても嬉しそうに、
周りを気にしながら小さく手を振ってそれに応える彼。


本当に、あいのりとかテレビの世界だけでなく、
こんな身近な場所にもこうしたドラマって転がってるんだな。


何だかとても良いものを見せて頂いたような、
ふんわりと幸せな気持ちになって俺も電車を降りたのであった。


それにしてもあのカップル、今頃どうしてるのかな…


今でも時々ふと思う。


出来れば「あいのり」でキスして帰るカップルみたいな、
幸せな夫婦になってくれてたら嬉しいんだけどな。
二人の恋の始まりを見せて頂いた者としては。


などと、電車に乗るカップルを見るたびに、
ついつい余計なことを考えてしまうのであった。

posted by RT at 14:37| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする